私らしく在るために

ファンタジーが大好きな乙女の書き物です。エッセイなどを綴っています。

私らしく在るために

乙女の始めかた

 少女、生娘、純朴、女学生、処女、若い女性、世間知らず、夢見がち、お姫様、後は何でしょうか。乙女の一般的なイメージを並べてみましたが、これからお話することはそういうことではありません。この記事では私の人生観や信条、乙女の定義について書いてみました。

 乙女とは、仁愛と礼節に生きる女性です。品格や品性はもちろんのこと、奥ゆかしさ、思慮深さ、何事にも一途である精神は乙女にとって欠かせないものです。その一切は年齢に関係しないので、その気になれば何歳からでも乙女を始めることができます。そもそも乙女を始めるとは何か。それを今からご説明していきます。私が乙女に出会ったのは学生の頃でした。

 夏の暑い日、エアコンが効いているのかわからない教室で、下敷きをうちわ代わりにして涼んでいる友達がいました。私はそれを横目に本を読んでいたのですが、ぽわんぽわんと気の抜けるような音に全く集中ができません。本を閉じて周りを見渡すとスカートをバサバサとしてたり、足を広げてロッカーの上に座っていたり、それはもう無法地帯です。

 廊下に出て図書室へ向かう途中、窓際に腰を掛けた一つ下の後輩が友達と同じように下敷きをうちわにして涼んでいました。その見慣れた行動に、私はこの上ない衝撃を受けたのです。何故ならその姿は、ため息が出るほどに可憐であったからです。仕草、表情、角度、姿勢、全てが自然体で、私は呆然と見惚れてしまいました。

 その後、図書室に行くのも忘れて考えていました。下品なことをしていたのに上品に見えたのは何故なのか。彼女は特別容姿に恵まれているわけではなく、何処にでもいる普通の学生でした。そして、考えながら胸が高鳴っていくのを感じました。いつか私もあのような乙女になりたい。それは平凡に生きてきた私の希望そのものでした。

 人間というのは品性が備わっていれば、どのようなことをしても上品に映るのではないか。そのような答えに辿り着いた私は、礼儀や作法を学び、身だしなみに気を配る程度のことから始めました。

 

・誰にでも挨拶をしなさい

・綺麗な言葉遣いをしなさい

・感謝の気持ちを伝えなさい

・悪口を言ってはいけません

・相手の立場で考えなさい

・清潔でいなさい

・姿勢を正しなさい

・靴を揃えなさい

・急いではいけません

・残さずに食べなさい

・綺麗な字を書きなさい

・いつも誰かが見ていると意識しなさい

 

 私が乙女という言葉に特別な拘りを持っているのは、このブログのタイトルにもあるように、私らしく在るためにです。これは私だけのルールであり、謂わば言い訳のできない絶対的正義です。故に、全ての出来事は一度ここに帰属しています。

 この法を犯す者がいるとすれば、それは私自身の他はありません。そういう意味では毎日が自分自身との戦いでした。もちろんそれを誰かに押し付けたり、強要したりはせず、風潮に流さることなく時代を逆行していきました。

 お昼休みに交換した手作りのお菓子、授業中に回し読みをしたノートの切れ端、学校帰りに食べたセブンティーンアイス、二人乗りの最中に偶然出会った先生の顔、隣校の男子からもらったライブチケット、失恋した友人と二人で泣いた公園のベンチ。

 正しいことも、そうでないことも、みんなで一緒に過ごして一緒に怒られました。私はそういった環境の中で礼儀と節度を育み、さらなる教養を深めていきました。詰まる所、学生時代の出来事が人生の転機となり、乙女という生き方の始まりになったのです。

 何事にも一途であれ、謙虚であれ、雅であれ、聡明であれ、そして誰に対しても優しく平等であれ。そうすればきっと貴女の人生はより豊かなものとなるでしょう。最後まで読んでくれた貴女が毎日を美しく、幸せに過ごせますよう祈念しております。